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民間の警護事情

こんにちは。


前回のブログ「警察の警護事情」の続きになります。

今回は民間の警護事情についてのお話。


民間の警護は主に警備会社が行っています。腕っぷしに自信があるからといって、勝手に業として警護を行ってはいけません。国内ではこれは法律で決められています。

警護の会社

さて、ここで出てくる疑問ですが、

警備会社はどうやって身辺警護員(ボディガード)を輩出しているのか?

先ほど勝手に警護を業として行ってはいけません、と書きましたが、警護を行う前に教育を受けることが義務付けられています。

その大まかな教育内容や教育時間も決められています。


例えば教育時間はたったの20時間(これは最低時間ですので、それ以上行うことはよいのですが、ほとんどの会社は最低時間しか行っていません)。


さて、その20時間でどのような教育をしているのか、そもそも誰が教えているのか…

時計

よくある警護員募集の求人には、未経験者歓迎としたうえで入社後に、弊社独自の研修をご用意しており、「警護のプロが訓練します」とか「元警察官が指導します」など記載されています。

が、前回ブログ記事警察の警護事情のとおり、元警察官イコール警護を知っているわけではありませんし、民間一筋で警護を行ってきた方の中で人に教えられるだけの警護知識・技術・経験を有する人が何人いるでしょうか…こちらも超激レアです。


警護で差がでるのは、どのような教育を受け、どのような環境で警護を行ってきたかが重要であり、単に警護歴20年、30年などといったものは、その人の有する警護レベルと比例しません。


また、ややこしいのが身辺警護には公的な資格が一つだけあるのですが(警備員指導教育責任者4号というもの)、その資格は警護実務を行うための資格ではなく、主に警備会社において社員に対し警護を指導教育するためのものです。

なのですが、この資格が全くと言っていいほど専門性に欠けており、警護経験がなくてもちょっと過去問題集を勉強すれば、ほぼ全員合格するというレベル。ちなみに実技の試験は行われず資格取得できます。

通常は、この資格を持っている人が社内で警護を教えています。


馴染みのない警護という分野だからこそ、その知識と技術を身に付けるには、本人の努力も必要ですが、それなりの「指導者」が不可欠なのですが…


もっとも入社後の研修は20時間ですから、誰が教えても教えられることは限られます。

もっと言えば、警護のみを20時間教えるのではなく、この時間内の約半分は「その他」のことを教えなければならないため(これも決まっているので仕方ありません)、実質の警護教育は10時間程度です。


ちょっとまて。研修後、警護現場で学べないのか?という疑問もあるでしょう。

1人の警護対象者を大人数で警護するのであれば、それは可能です。事実、警視庁SPではそのような育成が行われています。しかし警護員の人数が契約で定まる民間の警護では、そのような現場はほとんどなく、現場で手取り足取り教育できるような環境ではありません。

なので繰り返しますが、民間警護での警護歴は当てにできません。


結局、実態はきちんと身辺警護について教育、指導が出来ない為、見栄えの良さそうな体格の良い人や武道経験者、公務員経験者(警察官、自衛官)などの方を警護員として輩出する会社が多いのです。

見た目も大事でしょう。警護対象者が警護員の見た目で少しでも安心するのであれば、それはそれでよいのですが、身辺警護のスキルを持っているかというのは全く別問題です

警護員(ボディガード)の実態

こう説明すると、民間の警護員に問題があるのか?と思ってしまうかもしれませんが、問題なのは、警護員の人材育成が出来ていないのに、有効な手を打とうとしない業界ではないでしょうか。


次回は、「日本警護の喫緊の課題」について、お話しいたします。


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