こんにちは。
つい先日、東京都内で安倍晋三総理の車列を追い掛けた男性が警察官に現場にて取り押さえられた、というニュースがありました。
取り押さえたのは警護専門の警察官、通称警視庁SPだと報道されています。
総理車列は停車しなかったので、追い掛けていた男性と総理が接触することはなかったようです。
襲撃にあった場合はもちろん、何らかの異変を察知した場合に警護車列は「止まらない」というのは基本中の基本です。
ここで、「車列」という言葉が出てきましたが、車列は↓のような形です。
但し、一般車両を通行止めにしていない場合は、周囲の交通状況等によって隊形は目まぐるしく変わります。
場合によってはクネクネと車線変更しながら進みます。その姿がドラゴンみたいだということから車列を「ドラ」と警視庁SPでは呼んでいます。
警護員は、警護対象者(今回の件だと総理)と同じ車両に乗りますし、警護車列内の警護車には当然複数人の警護員が分散して乗車しています。
さらに警護車列が出発する場合などはスムーズに走行できる状況になるまで、車列の警護員とは別に、自分の足で走りながら警護対象車両を守っている警護員も配置される場合があります。
自らの足で走りながら車列周囲の警戒を行う警護活動を「伴走」と言っています。
伴走もとても大切な警護活動の一つです。
詳細は報道されていませんが、総理車列を追い掛けた男性を取り押さえたのは、おそらくこの伴走警戒をしていた警護員ではないでしょうか…
本学でも、警護実習の授業の際には、伴走は出来る状況であれば実施する!と教えています。
ちなみに
警護のことだけを考えれば、総理が通過する際には諸外国のように常に一般車両は通行止めにしてしまえば警護的には安全かつ簡単です。
国内でも大規模警護(G20やサミット等)の際は通行止めにしますので、実は車列に関してのみ言えば大規模警護は難易度が下がります。反面、交通規制を行う警護員等が多数必要になりますし、規制をかけだすタイミングも簡単ではありません。また一般国民の生活や仕事にも多大な迷惑が掛かります…道路を止めれば経済的損失も発生します…
規制を最小限にしかつ警護の目的を達成するのは本当に大変なことなのです。
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