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ストーカー問題を考える

更新日:12 分前

今回は、ストーカー問題について下記のニュースを取り上げます。

去年 ストーカーの「禁止命令」約2400件 過去最多に 警察庁(NHK)



●NHKのニュース記事内容

警察庁によりますと、2024年に全国の警察に寄せられたストーカー被害の相談や通報は1万9567件と、引き続き多くなっていて、ストーカー規制法に基づき、つきまといなどの行為を禁止する「禁止命令」は2415件と、これまでで最も多くなった、とのこと。


うーん…ストーカー問題ももちろんですが、DV問題も警察への相談案件が増えるばかりで、改善の道がなかなか見えないです。



ニュースの話に戻り、ストーカーの手口も一昔前とは変わってきています…

相談には、スマートフォンのアプリを使って居場所を特定されたという案件が急増。

荷物の紛失を防止するタグを持ち物などに取り付けられて居場所を把握されたという相談が370件にのぼっている。ただ、「紛失防止タグを取り付ける行為」について、現在の法律では規制はできないため、警察庁は、タグを悪用して位置情報を把握する行為について法整備も含め対策を検討するとのこと。


また記事では、禁止命令を受けた加害者への対応の課題も言及しています。

2024年、禁止命令を受けた加害者など3271人を対象に、心療内科などのカウンセリングの受診を働きかけたところ、継続的な治療やカウンセリングにつながった人は184人と全体の5%にとどまり、90%にあたる2954人は受診を拒否したということ。

受診を働きかけたもののつきまといなどの行為を再び行った人は168人いたということです。(NHKニュース記事より抜粋)


禁止命令を出してもそれで終了、にならないのが、ストーカー問題の難しいところです。

ストーカー被害について、NHKニュースより




●警察だけで取り組むのは難しい

ストーカー被害の相談でよく耳にするのが、

「警察に相談したのに動いてくれなかった」

という不満の声です。

ストーカー問題、警察の動きについて

ですが、警察も決してわざと動かないわけではありません。

ストーカー行為の証拠がなく、相手が誰なのかもはっきりしていない段階では、法律の制限もあってすぐに対応するのが難しいのです。


さらに、被害者一人ひとりに警察官が専属でつくのも、人数や業務の関係で現実的には厳しい状況です。


それでも、ストーカー被害に遭ったときは、必ず警察に相談することをおすすめします。

証拠が集まったり、加害者が特定できれば、警察も注意や警告、場合によっては逮捕などの対応を取ることができます。

こうした警察の介入によって、加害者側が逮捕を恐れて接触を控える可能性も出てきます。


ただし、残念ながらそれでも事件に発展してしまうケースもあり、決して簡単な問題ではありません。だからこそ、早めの相談と証拠の確保、周囲の協力がとても大切です。




●民間でも対策できれば…

警察だけでは手が回らない…なら民間でストーカーの対策に協力してくれるところは無いのか?


下記のところに頼るという手もあります。

・NPO法人などが行っているストーカー、DVの被害者をケアする機関に相談する

・民間の身辺警護を依頼する

・警備会社で行っているストーカー保険に入る


こういった方法もありますが、実は注意点や民間ならではの課題もありますので、慎重に検討が必要です。





●民間にある課題と注意点とは

まず、NPO法人などで、ストーカーやDVの相談を承っている機関について。

機関の中には、相談するだけで高い料金が発生するという場合があります。

なので、HPなどでどういうサポートをしているのか、相談料金はかかるのかをよく調べてから相談することをおすすめします。

ストーカー被害について、NPO法人の活動


次に、民間の身辺警護についてですが、

民間のボディガードに依頼する場合、どうしても費用がかかってしまいます

特にストーカー被害に遭っているのは、20〜30代の女性が多いのですが、自分でその費用を負担するのはとても大変なのが現実です。そのため、実際には被害にあっているご本人ではなく、ご家族(親御さんなど)が依頼して、費用を負担するケースがよくあります。


また、民間のボディガードの課題はもう一つ有り、これは警備会社側の事情になります。


実は、身辺警護(ボディガード)業務を行っている警備会社であっても、ストーカー被害のボディガード依頼を積極的に受けているとは限りません。

その理由は、次のような課題があるからです。

  1. ボディガードの人材不足

  2. 十分なスキルを持つボディガードが育っていない(教育体制が不十分)

  3. 民間の会社である以上、失敗のリスクを恐れて慎重になってしまう


これらはすべて繋がっていて、まず優秀なボディガードを育成するには時間も費用もかかります。しかし、通常の業務をこなしながら社内で一から育成するのは、民間の警備会社にとって非常に難しいのが現実です。しっかりと教育できる指導者を確保している会社は希少です。

ストーカー、ボディガード(警護)依頼について

このような課題をクリアできなければ、民間の力でストーカー問題の改善に本格的に取り組むのは、なかなか厳しい状況だと言えるでしょう。





●被害を避けるために自分でできる対策はある?

ストーカー被害の中で、加害者との関係で最も多いのが「元交際相手」です。

被害者の方は「もう別れた」と思っていても、加害者側は「まだ別れていない」と受け止めていることが多く、気持ちのズレが生じてしまうのです。


正直、人と人との関係はとても複雑で、きれいに整理して終わらせるのは簡単なことではありません。

中には

  • 一度別れたけど、寂しさからまた会ってしまった

  • 「会いたい」と言われ、断りきれずに何度も会ってしまう

  • もう気持ちは無いのに、はっきり別れ話をせず、連絡を無視したまま他の相手と付き合い始めた

といったケースもよくあります。


ただ、こうした曖昧な関係が続くと、相手に「まだ可能性がある」と思わせてしまうこともあり、ストーカー行為に発展する原因のひとつになってしまいます。

曖昧な関係や態度が危険

もし本当に関係を終わらせたいと思っているなら、できるだけはっきりと自分の意思を伝えることも大切です。それでも相手が理解せず、しつこく付きまとったり、何度も連絡をしてきたりする場合は、ひとりで抱え込まず、家族や友人など信頼できる人に相談しましょう。


そして、もし待ち伏せされたり、怖いと感じる行動が続くようなら、迷わず警察に相談することも大事です。自分の身を守るための手段を、遠慮せずに使ってください。




まとめ

ストーカー問題に直面したとき、今のところ警察以外に頼れる場所がほとんどないというのが現実です。

もちろん、民間の専門機関やボディガードに頼るという選択肢もありますが、「費用の負担」や「本当に信頼できるのか?」といった不安から頼ることを躊躇してしまう人も少なくありません。

被害者が安心して助けを求められる環境を整えるには、これまで以上に、国や行政の積極的な取り組みが必要と感じます。相談しやすい窓口の整備や、民間と行政が連携できる体制づくりなど、社会全体でストーカー問題に向き合う仕組みが求められているのではないでしょうか。



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