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日本警護の喫緊の課題

こんにちは。


ブログのプチシリーズ最後の回です。


これまでに、日本の警護事情を警察と民間に分けてお話ししてきました。


上記2つのブログを読んでいただけたらお分かりになると思いますが、

警察も民間も、最も初歩的で重大な問題点は警護員に対する教育不足です。

警護をよく知った人があまりにも少なすぎるのです。


警護員の育成は、官民問わずに日本警護全体の喫緊の課題です。

警護課第に悩む

この課題をどう取り組めばいいのか…

それはしかるべき警護教育」が必要不可欠だと思います。


警察も民間も、必要なレベルの警護教育を受けていない人を、いわば人数調整要員として警護現場に従事させてしまっています。その結果として警察の警護現場で、現職総理と元総理がいとも簡単に襲われる事件が短期間に続いてしまいました。〝これらの事件をなぜ防ぐことができなかったのか?〟と聞かれれば、本気で襲ってくる者から警護できる警護員を育ててこなかったのですから、当然の結果としか答えようがありません。


今のままでは、今後も高確率で警護は失敗に終わると思います。ここ数十年はそのような襲撃者が現れていなかっただけなのです。


しかし、今後またいつ同じような事件が発生するかわからないため、身辺警護員を本気で育てることが急務になるはずです。

要人警護の教育
本学実習授業の1コマ(退避要領の説明時)

しかし、その教育を行うにも課題は有ります。

身辺警護員を育てるには、どうしても手間暇がかかります

そして民間警護では何よりも

教育者不足なのです。

民間で行っている警護スクール的なものは、教える側の知識・経験不足が顕著です。指導者の力量を越えて教わることはできません。さらに誤った内容を教えられてしまっても気付かない場合がほとんどでしょう。なぜなら、警護という分野はあまりにも一般的に知られていないために、明らかにマズイことを教わってしまったとしてもその誤りに気付きにくいものだと思います。

また、警備(警護)会社で行っている警護教育も、民間の警護事情のとおり当てに出来ない場合もあり得ます。

これらの教育は「しかるべき教育」とは言えません。この点が民間警護の発展を阻害している要因の一つだと思います。


身辺警護のプロフェッショナルを目指すには、時間がどうしても必要です。それに伴う投資も必要になります。

ただそういったことは身辺警護だけではなく、専門性が高い職業の共通事項だと思います。


以上、日本の警護の現状や課題を伝えたくプチシリーズとして公開しました。

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