こんにちは。
今年の冬は暖かい…なんて思ってましたが、なんやかんや寒いですね。
寒くても暑くても、警護の実習は関係なく実施しております。
最近の実習にて
警護技術は、訓練を繰り返し行うことによって誰もが身に付けることが出来ます。
そして、訓練はやりっぱなしで終わらすのではなく、見直し、検証を行うことが上達への鍵となります!
こんにちは。
今回は身辺警護の理想の形についてお話します。
『謎の警護海外神話』
身辺警護について、よくネットでは
「警護なら海外!」、「海外の警護は日本とは全く違う、日本は平和ボケしてて訓練も考えも甘い!!」
みたいな声がチラホラと見かけます。
昨今、安倍元総理、岸田総理の襲撃事案が立て続けに起きましたから日本の警護に対して批判的な意見があるのは仕方ありません。
でも、実は何年も前から海外の警護を絶賛する「警護海外神話」を根拠なく持っている方がいらっしゃるようで…
ぶっちゃけますと海外でも警護の失敗事例は多くあります。大統領クラスの方が被害に遭ってしまったことも。
例として、フランス マクロン大統領が男にビンタをされた事件
本当に海外の警護は最強!なのか?
しかし、海外の警護が良く見えるのはちょっとわかる気がします…
なぜなら、日本の身辺警護には無い身辺警護の理想の形が見えるから。
『身辺警護の理想の形とは』
よくアメリカのシークレット・サービス(以下SS)は凄い!なんて言葉を聞きませんか?
なにがどう凄いのかを挙げられる人とは、なかなかお目にかかりませんが(笑)
ただ、アメリカの大統領とSSの関係性は日本には無い、正直理想に近い形だと思います。
どんなところが理想なのか?
それは、大統領がSSのアドバイスをどんな状況下でも聴くんですよね。
それって信頼関係が出来ているからだと思います。
大統領とSSの関係性がわかる一例がこちら。
上記写真はトランプさんが大統領だった時の頃。
大統領が記者会見中にいきなりSSが割って入ります。そしてトランプ大統領に耳打ちをし…その後大統領は唐突に記者会見室を後にします。
もちろん記者はわからないため「何が起きているんですか大統領」と質問。
何があったのか?それはホワイトハウス近郊で銃撃があったから!
トランプ大統領はSSの誘導で一時大統領執務室に退避。数分後戻ってきて記者会見を再開しています。
そして、トランプ大統領は記者にこう言っています。
「ホワイトハウスの外で発砲があった。皆さんも驚いただろうが、私も驚いた。警護隊がいるので、心配していない」
この事件のニュースはこちらで確認してください
SSの判断力と大統領を守るという意識の強さが分かると思います。
記者だけではなく国民の見てる前で退避のアドバイス、さて日本の警護員の方はできますか?
ただ、SSが凄い!それだけでは無く、大統領の危機管理意識も強いと思います。
大統領がいなくなればアメリカという国の損害が大きく関わりますから当たり前と言えば当たり前ですかね…。
そう、警護は警護員の質と護られる側の危機意識も合わさることによってより高い安全を確保できるのです。
警護員の質、そして警護対象者の危機意識、これが合わさることが理想の身辺警護の形に繋がると思います。
『身辺警護の理想の形に近づくにはどうすればいいか』
警護員は警護対象者が安心して生活や仕事ができるよう危険事項だけでなく、不安や恐怖を取り除くという精神面での支えになることも重要です。
そのためには警護員は警護対象者に信頼をしてもらう。
これが第一だと思います。
信頼をしてもらえば、警護に対する希望やアドバイスを警護対象者は聞いてくれるはずです。
皆さんも信頼している人の言うことは聞きますよね?
それと同じです。
信頼してもうらうには警護員は何をすれば良いのか。
警護対象者を大切にする。
自分達の仕事(警護の仕事)を手を抜かない。
警護対象者とコミュニケーションを取る。
など
警護対象者に媚びへつらうとかそういうことではありません。YESマンになれ!ということでも全くありません。
身辺警護も人と人の関係です。警護の世界が特別ではなく、ビジネス全般で大切な事を警護員は当たり前のようにやらないといけない、という事ですかね。
こんにちは。
いきなりですが!本来、警護員は対象者に危険が及ばないよう、あらゆる手を尽くして危険因子の発見と事前の対策に努めています。
いかに襲わせないようにできるかが警護員の腕の見せ所ですし、差が出る点です。
警護中、襲われたが守った!というのは自慢になりません。
理想の警護は”襲わせない警護”です。
ですが…今回は、たとえ対象者を守れたとしても自慢にならない襲われてしまった場合に役立つものの一つを作ってみました。
身辺警護の資機材の一つである「鉄板入り鞄」です!
鉄板入り鞄は警察・民間を問わず、身辺警護ではオーソドックスな資機材です。
そもそも鉄板入り鞄とは?
その名の通り、鞄に鉄板を入れた資機材。
主に刃物類に対して瞬時に対応できます。
対刃物類の資機材は他にも「警戒棒」(一般的には特殊警棒と言われていますが、警備業では警戒棒と呼びます)がありますが、警戒棒だと取り出すのに若干時間を要しますので、0コンマ何秒を争う瞬時の対応には鉄板入り鞄のほうが適しています。
注)警戒棒・特殊警棒は、正当な理由なく所持していると処罰の対象になる場合がありますので要注意。
ではでは、さっそく作成♪
まず鉄板を準備
薄~いものや軽過ぎるものじゃ刃物を防げませんので、それなりの厚さ重さは必要
かと言ってぶ厚過ぎ、重過ぎでは瞬発的な動きが出来なくなりますので使い勝手が悪くなります。
今回用意した鉄板は、約40cm×30cm 3㎏
鉄板を入れる鞄は幅薄
黒色が一番合わせやすい!
鞄に鉄板を入れるだけで完成ですが…
鉄板って錆びが発生するんですよ。
尚且つ、鉄板の切断面は鋭利なので鞄がボロボロになって穴が開いてしまう恐れがあります。
鞄を守るためにも!透明カバーに鉄板を入れて
鞄に入れて
出来上がり♪
鉄板のサイズは鞄に入るギリギリの大きさにします。鞄の中で鉄板が動いてしまうと使いづらくなってしまいます。
幅薄の鞄を用いるのは、普段使わないときは小脇に抱えて携行することにより、瞬時に突き出したりの動作が可能となるためです。
手提げ鞄でないのは素早い初動が可能になるため。
いろいろな使い方ができますが、一例を紹介します。
バシッ!
鉄板だから叩かれると、もの凄く痛いです。
※刃物は偽物なのでご安心ください。
警護員は自身を盾にして対象者を守る!そんな仕事と言われますが…
半分正解、半分間違いです。
もちろん警護員は対象者を守ることが一番の重要任務ですが、その任務遂行のためには警護員自身が欠けてしまってはいけません。
特に警護を少人数で行っている場合、警護員がいなくなってしまったら対象者を守る人がいなくなってしまいます。
つまり警護員は簡単に身を投げ出してはいけないのです。身を盾にするのではなく、資機材を最大限有効に使いこなせるように警護訓練に励むべきです。
但し冒頭申し上げた通り、襲われて守っても何の自慢にもなりません。
襲われないようにするにはどうするか、それが警護です。